コケ・シダ・裸子植物・被子植物——植物界の門を一覧でまとめて紹介
「植物界」がどんな生き物のグループか分かると、次に気になるのは「では植物界の中はどう分かれているのか」ではないだろうか。コケもシダもマツもサクラも同じ植物界だが、明らかに姿は違う。
実は植物界の中には「門(もん)」という分類の単位があり、10前後のグループに分かれている。コケだけでも3つの門、裸子植物も4つの門に分かれるなど、思った以上に細かく分類されている。
このコラムでは植物界を構成する主要な門を、コケ植物・シダ植物・裸子植物・被子植物の順に一覧で整理し、それぞれの代表的な植物とあわせて紹介する。
生物の分類階級は「界・門・綱・目・科・属・種」の順に細かくなる。「門」は「界」のすぐ下に位置し、体のつくりの基本設計(維管束があるか、種子を作るかなど)が大きく変わる境目にあたる。
ひとまとめに「コケ植物」と呼ばれるグループも、実は体のつくりが異なる3つの門で構成されている。維管束(水や養分を運ぶ管)を持たず、乾燥に弱いという共通点がある。
スギゴケやミズゴケなどが含まれる。茎のような部分と葉のような部分がはっきり分かれ、体を立ち上げるように育つものが多い。
ゼニゴケなどが含まれる。体が平たいシート状(葉状体)に広がるものが多く、地面に張りつくように生育する。
胞子を作る部分が細長い角(つの)のように伸びるのが特徴。3つの門の中では最も種類が少なく、見かける機会も少ない。
シダ植物は維管束を獲得し、コケ植物より大きく育てるようになったグループ。こちらも見た目の違う3つの門に分かれる。
ヒカゲノカズラやイワヒバなどが含まれる。細い茎に小さな鱗片状の葉が密に並ぶ、古いタイプの維管束植物。
スギナ(ツクシの本体)やトクサが含まれる。茎に節があり、そこから輪状に葉や枝が出る独特の姿をしている。
ワラビ・ゼンマイ・ノキシノブなど、一般に「シダ」と呼ばれる仲間の大部分がここに含まれる。葉の裏に胞子のうを作って増える。
種子という乾燥に強い繁殖方法を獲得した裸子植物は、現在4つの門に分かれて生き残っている。身近な庭木・街路樹にも多い。
太い幹の先に大きな葉を放射状につける。見た目はヤシに似るが、種子植物としては裸子植物に分類される。
維管束の構造など、被子植物に似た特徴をあわせ持つ珍しいグループ。マオウ(漢方薬エフェドリンの原料)などが含まれる。
花を咲かせ、種子を果実で包む被子植物は、現在の植物の大多数を占める最も繁栄したグループ。門としては「被子植物門」1つにまとめられることが多いが、内部はさらに双子葉類・単子葉類などに細かく分かれていく。
サクラ・タンポポ・イネ・ユリなど、身の回りで見かける草花や樹木のほとんどが被子植物門に属する。門より下の「綱」「科」レベルで見分けるほうが実用的なため、詳しくは関連コラムで解説している。
合わせて10〜11の門があることになる。ただし門の数え方は研究者や分類体系によって多少異なる場合がある。